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Jackson特集
THE BLOODLINE

ジャクソン・ギターの歴史は、グローバー・ジャクソンが、1978 年にシャーベル社を買い取り、ギター工房を立ち上げた事に端を発しています。翌年のNAMM ショーには、シャーベル・ブランドとして初出展され、ロサンゼルス界隈のギタリスト達から注目されるブランドとなっていきます。丁度その頃、ロサンゼルスを中心にLA メタルの火の手が上がり始め、そのムーブメントは瞬く間に世界中へと飛び火していきました。LA メタルの花型は、ラウドなサウンドをテクニカルにプレイするギター・ヒーロー達でした。様々な高度な演奏テクニックが誕生する中で、より演奏性に優れたギターが求められるようになります。そして、バンドの華やかさにマッチするデザインも要求されるようになります。そんなギタリスト達の相談が、グローバーのもとへ多く寄せられるようになってきました。
その中の一人がランディ・ローズでした。ランディは、LA を中心に活動していたクワイエット・ライオットの活動を経て、オージー・オズボーン・バンドのギタリストとして、注目される存在になっていました。ランディは、自身の頭の中にある新たなデザインを持ったギターを具現化するために、グローバーのもとを訪れたのです。それは、鋭角なヘッドストックとオフセットされたV スタイルのボディを特徴とした、今までにない斬新なギターでした。グローバーは、ランディがスケッチしたギターの開発を進め、ヘッドストックに初めてジャクソンのロゴマークを採用しました。伝説のジャクソン・ギター“RRV”の誕生です。このギターによって、ジャクソン・ギターの歴史はスタートしたのです。ランディは、この後、さらに改良したセカンド・ヴァージョンのRRV もオーダーしています。

ちなみにこのセカンド・ヴァージョンを製作したのは、現在もカスタムショップでマスタービルダーとして活躍しているマイク・シャノンです。 下の映像ではマイク・シャノンやカスタムショップの風景をご覧いただけます。製作されているソロイストは30周年の記念モデルで、残念ながら現在は販売しておりませんが、ジャクソン・ギターの製作過程が観られる貴重な映像です。
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1982 年3 月、不慮の飛行機事故で永遠に飛び去ってしまったギター・ヒーロー“ランディ・ローズ”がジャクソン・ギターに残した功績は偉大すぎて言葉で表すことはできません。まさにジャクソン・ギターの血統(The Bloodline)は、ここから誕生したのです。それは現在も全てのジャクソン・ギターに受け継がれています。素晴らしい才能を持ったギタリストと共に進化し革命を起こすこと。それがジャクソン・ギターの血統なのです。
ヘヴィメタル・ギタリストに愛される理由
ハードロック、ヘヴィメタル系のギタリストにジャクソン・ギターが愛される理由は何でしょうか?直線的で鋭角的、そして攻撃的な美しいデザインは、素晴らしいライブ・パフォーマンスを約束します。また、ヘヴィメタル・ギタリストは、他のジャンルと比べるとテクニカル志向です。ただ単にデザインだけでギタリスト達から大きな支持を集め続けることはできません。ジャクソン・ギターは、優れた演奏性とサウンド追求していることを忘れてはいけません。デザインと演奏性この二つが見事に融合されているからこそ現在でも大きな支持を集めているのです。そんなジャクソン・ギターの特徴的なポイントを解説していきます。
Head Stock
まさにヘヴィメタルを象徴するようなコンコルド・ヘッドとも呼ばれる鋭角でシャープなデザインを特徴にしたアングル・ヘッド・ストックを採用しています。ストリング・スルー・ボディ(ノン・トレモロ)のモデルとの組み合わせにおいて、特にダウン・チューニング時でも弦のテンションを確保できるデザインです。
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このヘッドストックは、スカーフ・ジョイントと呼ばれるジャクソン発案のジョイント方法で、アングル・ヘッドの弱点であるヘッド折れをさせにくい構造です。

またジャクソンの新しいヘッドストック・デザインとして、AT ヘッドストックがあります。ATヘッドストックは、ブリッジからチューナー・ポストまで、真っすぐに弦が張れるデザインを特徴としています。時代とともにギタリストの放つサウンドも変化します。現在ではダウン・チューニングも当たり前になりました。さらには7 弦や8 弦ギターも登場しています。弦のテンション感やチューニングの安定感がより求められるダウン・チューニングに対するジャクソンからの回答がAT ヘッドストック・デザインです。クリス・ブロデリックやミーシャ・マンソー・モデル、そしてDK7 などに採用されています。

Neck
ジャクソン・ギターのネック構造の基本は、捻じれに強い柾目のメイプル材を強靭なグラファイトによって補強することで、更なる強度を確保させたスルーネック構造です。ボディ・エンドまで貫かれたスルーネックは、素晴らしいロング・サスティーンを特徴にしています。スルーネックの構造上、ネック・ヒールを必要としませんので、ハイフレット・エリアでの演奏性はストレスなくプレイすることが可能です。ネック・グリップの形状は、薄めのD スタイルでシュレッド系のソロ・プレイにおいても優れたプレイアビリティを発揮します。
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Compound Radius
フィンガーボードのラジアス(半円/R)は、コンパウンド・ラジアスを採用しています。コンパウンド・ラジアスは、ロー・ポジションからハイ・ポジションに掛けて、徐々にラジアスがフラットになっていく複合的な曲面のことです。ナット部では12”(304.8mm)Rで最終フレットでは16”(406.4mm)R となります。このことでロー・コードからハイフレット・エリアでのソロ・プレイまで違和感のないフィンガリングやチューキングをサポートします。フロイドローズ・トレモロとの相性も良く、弦高を低くセッティングするのにも有利です。

Fingerboard
フィンガーボードの素材にはモデルによってエボニーやメイプルなどが採用されます。上記のコンパウンド・ラジアスの他にジャンボ・サイズのフレットが打ち込まれていることも特徴です。ジャンボ・サイズのフレットはファットなサウンドに貢献し、力まずにフィンガリングができソロ・プレイにも有利です。また、ポジション・マークには、シャークフィン・インレイが施されジャクソン・ギターの大きな特徴にもなっています。
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Body
ボディは、ランディV を筆頭にSoloist、King V、Kelly など様々なモデルがラインナップされています。変形ギターと呼ばれるデザインが多いのも特徴ですが、どのモデルも見た目以上に弾きやすく、コンパクトな印象です。ボディ・マテリアルはモデルやシリーズによって、アルダーやマホガニー、ポプラなどが採用されていますが、メイプルのスルーネック構造のウイング材として採用されますので、基本はロング・サスティーンを特徴にしたメイプル・スルーネック・ボディといっても良いかもしれません。 当店のストック・リストをボディ別にご覧いただけるようにしました。 商品ページでは詳しいスペックも掲載しておりますので、是非ご覧ください。
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※特徴の内容は、ジャクソン・ギターの基本的な特徴です。モデルやシリーズにより仕様が異なる場合があります。
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