2016年10月29日(土)に御茶ノ水楽器センター2F イベント・スペースにて山下昌良 x Vigier スペシャル・ベース クリニックを開催しました。日本が誇るヘヴィメタルバンド LOUDNESSのベーシストとして活躍される山下昌良氏の迫力のベースサウンドを間近で体感することができると共に、テクニックの解説や、その太いサウンドの秘密を見ることができた充実のクリニックとなりました。

当日の機材はVigierから発売されているご自身のシグネイチャー・モデルはもちろん、愛用のAmpeg SVT-VR HEADや環境によって前述のアンプと使い分けているギャリエン・クルーガー MB 800 FUSIONとAmpeg SCR-DI との組み合わせをご用意!

アンプの上にセットされているピックは、Vigierから発売されている山下昌良氏のシグネイチャー・ピックです。素材はセルロイドで厚みは1.0mmのトライアングル型です。こちらも山下昌良氏のサウンドには欠かせない重要なアイテムです。下の動画では山下昌良氏の演奏と共にVigierのサウンドをご覧いただけます。とくに終盤の動きのあるフレーズの中でVigierの持ち味である歌うような極上のトーンをご確認いただけます。

参加者の質問にも丁寧に回答する山下氏。
また、今回は雑誌でもあまり語ったことがないという独自のピックの持ち方についても教えてくれました。親指と人差し指、中指で挟む独特な持ち方で、それによって、あの太く力強いサウンドが生まれているのですね。通常よりもグリップする面積が広いため、トライアングルを使用しているとのことで、シグネイチャー・ピックの形の秘密も明らかになりました。

Vigierの特徴の一つである「10/90 Neck System」はサウンド面とネック自体の強度の面で大きなメリットを得ています。山下昌良氏のようなプロフェッショナルな現場で使用するプレイヤーにおいてネックの強度は楽器選びの大きなファクターでしょう。今回のクリニックでは50-105のゲージが張られているベースを、その場でレギュラーチューニングから最大2音下げのCチューニングまでダウンさせての実演を披露。Vigierのネックの剛性が非常に高いことが垣間見えた瞬間でした。 ちなみに普段ダウンチューニングする際は55-110のゲージに変えてベース側のテンションを稼いで使用しているとのことです。

山下昌良氏は往年のAmpegサウンドを放つSVT-VRの他にGALLIEN-KRUEGERのMB Fusion 800とAmpegのSCR-DI の組み合わせを環境によって使いわけています。MB Fusion 800は非常に軽量ながらパワフルなベース・サウンドを出力することで人気のアンプ・ヘッドです。そこにSCR-DIを加える事でAmpegのサウンド・キャラクターを出しているとのことです。

クリニック終盤ではご自宅で使用しているというBlackstar FLY3 BASSの説明もございました。 そのコンパクトな外観からは想像のつかないサウンドで小型アンプの常識を覆したFLYシリーズのベース・アンプであるFLY3 BASS。会場に合わせたセッティングで演奏してみて、「こんな音量で家で弾いたら怒られるよ(笑)」と笑いを誘う場面も。

終始、温かい雰囲気の中、クリニックは無事終了。今回、ご参加いただいた方の中にはベーシストでない方もいらっしゃいましたが、山下昌良氏の実演や解説に触れていただく事で普段聞いている音楽をより深いレベルで楽しんでいただけるようになったのではと思いました。逆にベーシストの方にはプロの演奏テクニックを間近でご覧いただくことができ、質問コーナーなどを通して今後の演奏にお役立ていただけるクリニックになりました。とても楽しく、あっという間の一時間半でしたが充実した内容で、ご参加いただいた皆様の笑顔がとても印象的でした。 素晴らしいお時間をご提供してくださった山下昌良氏、そしてご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。御茶ノ水楽器センターでは今後も音楽が好きな方、楽器が好きな方に楽しんでいただけるイベントを催していく予定です。
御茶ノ水楽器センターの公式twitterアカウントでも情報を発信しておりますので、そちらも是非チェックしてみてください。

山下昌良
1961年大阪生まれ。幼少の頃から隣に住む高崎晃の遊び相手として、キャッチボールではキャッチャーミットを、キックボクシングではパンチングミットを持たされ、高崎の引っ越した後、学生時代はサッカーやサーフィンにのめりこむが、ある日、先輩に聴かされたビートルズで音楽に目覚め、大阪でアマチュア活動をスタート、ラッシュやイエスなどプログレに大きな影響を受けると共に、地元で「ヘビーメタル博士」と呼ばれるほど、ハードな音楽に精通するようになる。1981年メンバーを捜していた高崎晃に誘われLOUDNESSに参加。バンドにプログレやメタルの要素を持ち込み、山下が書き下ろした「BLACK WALL」「HEAVY CHAINS」「WHO KNOWS」などの楽曲もファンの間で人気が高い。2016年現在も世界をまたにかけた精力的なライブ活動では、バンドのボトムを支える大事な屋台骨である共に、楽曲の制作現場では、高崎の投げる曲を受け止める女房役であり、バンド全体のムードメーカーでもある。

■LOUDNESS公式HP