「レコーディング・キング」というブランドのヴィンテージ・ギターをご存知だろうか?
ギブソンの歴史やヴィンテージ・ギターに詳しい人であれば、聞いたことがある人もいるだろう。
このブランドは、モントゴメリーワード社のオリジナル・ブランドだが、1929年から43年までギブソン・ファクトリーでOEM生産されていた。
アコースティック・ギターやエレクトリック・ギター以外にも、バンジョーやスティール・ギター、ギター・アンプなどの製品が生産されていて、ヴィンテージ・マニアの中にはこのブランドのコレクターもいる。
60年代にギブソン工場で作られたエピフォンと同じように、当時のギブソン製品と全く同じクオリティと共通項のある仕様で製作されていることは言うまでもない。

写真は「モデルA」という1930年代後期に生産されたフルサイズのエレクトリック・アーチトップ・モデル。
1936年に登場したギブソン初のエレクトリック・アーチトップ・モデル、ES-150(通称チャーリー・クリスチャン・モデル)と共通仕様のボディを採用し、やはり共通するチャーリー・クリスチャン・タイプのピックアップを搭載している。
ギブソンの歴史を語る上で欠くことのできないES-150と同時期に、ヘッドストックのデザイン以外はほぼ同じ仕様で製作された言わば姉妹モデルとも言える製品がモデルAである。
戦前ギブソンの面影を色濃く残すもうひとつの名器と言えるだろう。
1930年代としてはかなり大型の16インチワイド・ボディを採用しており、エレクトリック・サウンドはもちろんのこと、生音も豊かな鳴りを実現している。
1930年代と言うゴールデンエラの魅力とロマンを堪能するには、この上ないモデルと言える。