1938 GIBSON SJ-200

「 ヴィンテージ・ギター・オリジナル・シリーズ   その ③」は、ギブソンのキング・オブ・フラットトップと称される大型モデル、SJ-200(J-200)を紹介する。
現在J-200として広く知られるギブソンの人気ジャンボ・モデルは、1937年に発表され翌38年に「SJ-200」として出荷された(スーパー・ジャンボ、価格200ドル)。
写真は発売初年度にあたる1938年製で、いくつかオリジナル・モデルとしての特徴を備えている。

 当初ボディは16-7/8インチ・ワイドだったが、翌年に17インチが採用された(ドレッドノートは15-5/8インチ)。
現在J-200というとメイプル・ボディで知られるが、発売当初から1944年までの6年間はローズウッドのバック&サイド・ボディが採用されていた。
ボディには、ギブソン初となるデコレート・ピックガードが採用され、以来ギブソンらしい仕様として他のモデルにも採用されていった。
口ひげを思わせるマスタッシュ・エボニー・ブリッジも特徴のひとつで、さらに最初期の製品にはイモネジ状の小さなサドルを回転させることで各弦毎に上下可能なインディヴィジュアル・サドルが採用された。
また、当初はダブルXブレイシングという特殊なパターンが採用されたが、1942年にシングルXブレイシングへと変更された(1952年頃に再びダブルXブレイシングが採用され、その後もいくつかのパターンが使用された)。
1941年にフィンガーボードがエボニーからローズウッドに変更されたタイミングで、インディヴィジュアル・サドルは一般的な1ピース・サドルへと変更された。
また1960年からの10年間は、レスポールのような金属製のアジャスタブル・ブリッジが採用されたこともある。

 SJ-200が誕生した1930年代後半は、マーティンからドレッドノートが発売された後で、スティール弦を使用することでより大きなサウンドを求めた大型モデルが各社から発売され、フラットトップ全体が大型化していった時代である。

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