1957年製のフェンダー・ストラトキャスターに続いて、今回は外観的にも大きな仕様変更があった1958年製の製品を紹介しよう。

 ストラトキャスターは1954年のデビュー以来、ボディにはダークブラウンの2トーン・サンバースト・フィニッシュが採用されてきたが、この58年からよりモダンな3トーン・サンバーストへと変更された。
黄色とダークブラウンの間にワインレッドに近い赤を吹くことで、製品のイメージはかなり華やかで明るい印象になった。

 初期の3トーン・サンバーストに使用された赤の塗料は重くダークな色合いだったが、しばらくするとより明るい色合いへと変更された。
フェンダーの3トーン・サンバーストの場合、ピックガードに隠れて見えない部分には赤の塗料が吹かれないのも特徴となる。

 57年製最大の特徴だったVシェイプのネックグリップは、58年になるとラウンド・シェイプへと徐々に変更されていった。
また、ナット部分のネック幅が1mm程度広くなったのも58年の変更点である。

 パーツ類の組み込みは、それまで全て木ネジを使用していたが、この年からピックガード、スプリングカバー・プレート、ジャック・プレートの3カ所に関して、タップネジが使用されるようになった。

 コーネルデュプリアー社のキャパシタは、それまで蜜蝋によるポッティングが施されていたが、58年からそれが見られなくなった。

 写真の1958年製は大きなキズや塗装焼けもあまり見られず、極めて良いコンデションを保っている。

 指板にはニトロセルロース・ラッカーが使用されているが、現在の塗料より耐久性に劣っている。

 基本的にボディはアルダー材の2ピース仕様であるが、写真の製品は珍しい3ピース仕様。

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