セミアコースティック・ギター
トニー・ゼマイティスが製作した個性的なレアモデルを紹介する特集の「第7弾」は、セミアコースティック・ギター。
ゼマイティスのエレクトリック・ギターというと、多くの人はソリッド・エレクトリックのメタルフロントかパールフロントをイメージするだろう。
実は、トニー・ゼマイティスは1980年代に何本かのセミアコースティック・ギターを製作している。
写真は1984年に作られたセミアコースティック・モデル。
シングル・カッタウェイの大型ボディ、メイプル・バック&サイド、スプルース・トップが採用され、ギブソンのES-335よりやや厚みのあるセミアコースティック・デザインとなっている。
比較的スタンダードなFホールが採用されている点やウエストがそれほど強く絞られていないこともあり、一見ギブソンのES-175あたりを彷彿とさせる。
ネックはホンジュラス・マボガニーの3ピースで、フィンガーボードはローズウッド、突き板はメイプルがセットされ、エンブレムの位置に「Z」のインレイが施されている。
また、フィンガーボード・エンドは、複雑で立体的な形状に加工されており、ここにもトニー・ゼマイティスの強い拘りが感じられる。
ハムバッカーP.U.がひとつマウントされ、1ボューム、1トーンとシンプルなアッセンブリでまとめられている。
日本でも2005年頃からSA22FH、SA22THというオール・マホガニーのセミアコースティック・モデルが少数製作されたが、それらとは使用材、ヘッド形状、ピックアップなどのアッセンブリ、装飾などあらゆる仕様が異なっており、同じモデルは製作されていない。
Special Thanks to Keith Smart