1975 GIBSON Midnight Special

「ギブソン・ミッドナイト・スペシャル」は、高級アーチトップとして知られるL-5のソリッド・バージョン、L-5Sの廉価版であるL-6Sのバリエーション・モデルとして1974年に登場した。
翌75年に上位モデルとなるL-6S デラックスも発売され、ミッドナイト・スペシャルはL-6S シリーズの中で最も廉価なモデルだった。

 写真は1975年に生産されたミッドナイト・スペシャル。
ボディはワインレッドをベースとしてたカラーだが、その上に煌びやかなラメフレーク・フィニッシュを施している。
これはワインレッドの塗料が乾かないうちに、何色かのラメをミックスしたフレークを塗面に振りかけ、その上からクリア塗装を施している。
ワインレッドの他にも、ホワイト・ベースとブラック・ベースがある。
「ミッドナイト・スペシャル」というネーミングは、この特殊なラメフレーク・フィニッシュに由来している。

 2ピースのメイプル・ボディはレスポールよりやや幅広いが、厚みは1-1/8インチとSGよりもやや薄く仕上がっている。
3ピース・メイプル・ネック、厚みのあるメイプル・フィンガーボード、ストラトより3フレット多い24フレット仕様で、ネックはフェンダー製品のようにネック・セット・プレートを介して4本の太いボルトで固定されている。
またギブソンでは初めてメイプル・ヘッドが採用されたモデルでもあり、デカールがこれまでのゴールドでは目立たないため、ブラックデカールが用意された。

 このモデル最大の特徴はボルト・オン・ネックを採用している点で、ギブソン初のボルト・オン・ネック・モデルだった。
ギブソンはこのモデルに続いて、1975年にマローダー、1976年にS-1というボルト・オン・ネック仕様のモデルをリリースしている。

 ミッドナイト・スペシャルの出荷の殆どは74年と75年の2年間に集中していたが、生産が完了したのは79年。
出荷された数はL6-S シリーズの中で最も少ない約2,000本だが、キッスのポール・スタンレーが一時期ライブで使用していた。

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