1966 GIBSON Thunderbird Ⅳ

1950年代後期に登場した、フライングVやエクスプローラに続くモダン・ギター・シリーズの「第2弾」として1963年に登場したのが、ファイアーバード・シリーズだった。
そしてそのベース・バージョンとしてサンダーバードも同年に登場した。
今回はその「GIBSON Thunderbird Ⅳ」紹介しよう。

 サンダーバードは、ギブソン・ベースとして初めて34インチのロング・スケールを採用しているのが大きな特徴のひとつで、シングル・ピックアップのサンダーバードⅡとダブル・ピックアップのサンダーバードⅣの2モデルが用意された。
写真は1966年に生産されたサンダーバードⅣで、ゴールデンミストポリと名付けられたゴールド・フィニッシュが施されたレアモデルである。

 ファイアーバードとサンダーバードは、60年代前半の華やかのロックシーンに向けて、ギブソンが外部のデザイナーとのコラボレーションによってデザインされた期待のニューモデルだったが、市場の反応は思いのほか鈍かった。
そこで発売から2年後の1965年半ばに早くもフルモデルチェンジを決行し、ファイアーバードとサンダーバードはどちらもリバース・デザインからノンリバース・デザインへと変更された。
しかし市場からはやはり良い反応を得ることができず、1969年に生産が完了した。
約7年間に生産されたオリジナルのサンダーバードⅡとⅣ、そしてノンリバースのサンダーバードⅡとⅣの全てを合わせても、1,758本。
ノンリバース・モデルのサンダーバードⅣだけだと、僅か300本程度しか生産されていない。

 オリジナル・サンダーバードのリバース・モデルは、エクスプローラの角を落としたようなデザインであるが、それを裏返すとこのノンリバース・モデルのデザインとなる。
リバース・モデルはボディ両端に向かってテーパーが付いていたが、ノンリバース・モデルはワンピース・マホガニーのフラット・ボディで、裏側にコンター加工が施されている。

 ギブソンで初めてロング・スケールを採用し、リバーズ・モデルがスルーネックだったのに対して、このノンリバース・モデルはセットネックを採用している。

 セス・ラバーによって新たに開発されたダブル・コイル・ハムバッキング・ピックアップをふたつ搭載。
バーマグネットが中央にセットされ、#42ゲージのコイルワイヤーが5,000ターン巻かれている。
コントロールは、2ボリューム、1トーンで、ピックアップ・セレクターを使用しない仕様は、フェンダー・ジャズ・ベースを意識した仕様だろう。

 ギブソン・ベースとしては初めてチューンOマチック・ブリッジとストップ・テイルピースを搭載。
ブリッジ下側にはミュートもセットされているが、解除機能がなく常にミュートされるため、多くのプレイヤーは写真の製品のように、フェルト部分を取り外して使用している。

Special Thanks :「Player」