2017年7月8日(土)に御茶ノ水楽器センター2F イベント・スペースにてa flood of circleのフロントマン 佐々木亮介氏をお招きしてスペシャル・ギター・クリニックを開催しました。佐々木亮介氏もグレッチ・ギターの構造や歴史について勉強しにきたということで、代理店担当者の説明も交えながらグレッチ・ギターの魅力に迫りました。オープニングではサポート・ギタリストのアオキテツ氏と共にご機嫌なブルースで臨場感溢れる生演奏を披露してくださいました!

130年以上の歴史を持つグレッチは現在、ヴィンテージ・スペックを追求したモデルから、現代音楽シーンのニーズに応えるために開発されたモデルまで幅広いラインナップを有しています。
佐々木亮介氏が愛用するグレッチ・ギターはG7593 Black FalconとG6139T-CBDC Falconというモデルです。 この2つのモデルは色だけでなく、構造上にも大きく異なる部分がございます。
まず、G7593 Black Falconはフル・アコースティック構造のギターです。 17インチ幅で深い胴をもつボディからは豊かなアコースティック感をもったサウンドが生まれます。
対してG6139T-CBDC Falconはセミ・アコースティック構造になっております。 ホロウ・ボディ内にセンターブロックが入っており、フル・アコースティック構造のギターに比べて、音に密度が増す、ハウリングに強くなる、サスティンが伸びる、といった特徴があります。 また、センターブロックには、アコースティックギターのトップ材などに用いられるスプルースを採用することで、軽量化を実現すると共に、ボディ鳴りを抑えることなくセミ・アコースティック構造の特徴を見事に昇華させています。 こちらのギターは先に述べた「現代音楽シーンのニーズに応えるために開発されたモデル」の一つです。
佐々木亮介氏は「新しいスタイルの楽器によって昔の人ができなかったことができるようになったことが良い」とコメントしており、大変お気に入りの1本であることが窺えました。

これらのギターには、ビグスビー・ユニットの弦交換がしやすいようにヴィブラメイトのスポイラーの搭載や、ブリッジ・パーツの交換など佐々木亮介氏こだわりのカスタムが施されています。
佐々木亮介氏のギターのメインテナンス・修理を担当している当店のリペアマン、白土耕一朗も混じってカスタム談義に花を咲かせました。

グレッチ・ギターからは少し脱線しますが、佐々木亮介氏のサウンドを理解するのに欠かすことのできない弦について触れられるコーナーもありました。 佐々木亮介氏が普段愛用しているギター弦はアーニーボール社の「クラシック・スリンキー・シリーズ」の10-46ゲージのパッケージです。 ピュア・ニッケル素材が使用されているのが主な特徴の「クラシック・スリンキー・シリーズ」は張りたてでも高音が丸みを帯びた柔らかいサウンドが出ます。 長時間のライヴで演奏するときなどは必ず弦を新しい物に交換するとのことで、「張りたてでお気に入りの音が出せる」というのが「クラシック・スリンキー・シリーズ」を愛用するポイントのようです。 実はこの「クラシック・スリンキー・シリーズ」は1960年代にアーニーボール社が初めて販売した弦のシリーズなんです。代理店の担当者からの解説に佐々木亮介氏も「勉強になるな~」という一幕もありました。

クリニック終盤のデモ演奏では佐々木亮介氏がG7593 Black Falcon、アオキテツ氏がG6139T-CBDC Falcon(佐々木亮介氏所有品)というダブル・グレッチでの演奏がございました。 アオキテツ氏が佐々木亮介氏のギターを持ち、「すっげー弾きやすい」という発言に対し、佐々木亮介氏は「あげないよ」など、二人のやりとりは終始和やかな雰囲気で、会場の笑いを誘いました。 下記動画はその中からエンディングで披露されたブルース・セッションの一幕です。フルアコ構造とセミアコ構造のサウンドの違いを感じつつ、お楽しみください。

いかがでしたでしょうか。今回は現在、ロカビリーやオールディーズだけでなく、幅広い音楽シーンで愛用者が増えているグレッチ・ギターの魅力が詰まったクリニックになりました。 素晴らしいお時間をご提供してくださった佐々木亮介氏、アオキテツ氏そしてご来場いただいた参加者の皆様、本当にありがとうございました。

御茶ノ水楽器センターではグレッチのギターはもちろん、パーツなども多数取り揃えております。メインテナンスについても、ご相談していただけますので、是非お気軽にご利用ください。
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