前回の1954年製オリジナル・ストラトキャスターに続いて、翌55年に生産された製品を紹介しよう。
55年製のストラトで最も特徴的なのが、ファットなネックグリップだろう。肉付きも厚みも十分にあるネックは、あらゆる年代の中で最も太く感じられる。
ヘッドストックのエッジは、54年製のような外周の面取り加工があまり行われておらず、シャープな印象を受ける。
ボディはオリジナルと同様にライトアッシュ材を使用しているが、中央部分の黄色みが強くなった代表的な2トーン・サンバーストである。
これは54年より変色しにくいクリア塗料を採用したため、焼けが抑えられたことによる。
ボディに使用されているアッシュ材は、重いものから軽いものまで個体差が大きい木材として知られている。
ストラトに使用されているアッシュ材はライトウェイト・アッシュ(もしくはスワンプ・アッシュ)と呼ばれる軽い材である。
55年からシリアルナンバーが他のモデルと統一され、5000番ほどジャンプしたナンバーが使用されるようになった。
54年製は、リアピックアップの下に6本のリード線が通る溝が見られなかったが、55年から溝加工が行われるようになった。
ピックアップはオリジナルと同じショートGであるが、コイルのターン数が増え、磁力の強いマグネットが採用されている。
サンバースト以外の部分は、ボディもネックもやや赤みが薄れ、黄色みが強く感じられる。
ヘッドストックは外周の面取り加工が少なく、エッジの形状がハッキリした印象である。
50年代の製品はボディ裏のコンター加工が大きく、エッジ部分が薄めに仕上げられている。
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