去る11月5日(土)、6日(日)の2日間、松本PARCO6階の特設会場(一部アコースティック・ギターは5階の島村楽器特設ブース内)において、恒例の『信州ギター祭り 2022』が開催された。

 信州では、1950年代にクラシック・ギターやヴァイオリンの生産がスタートし、60年代以降は松本を中心に日本のギター産業の大きな柱として数多くの弦楽器が生産されてきた。現在においても、大手のギター・メーカーを始め個人工房、さらにはその関連企業に至るまで、多くのギター関連会社が存在し、日夜しのぎを削りながら新たなギター作りに挑戦している。

 そんな信州のギター・シーンを象徴するイベントが、年に1度松本市で開催される『信州ギター祭り』で、今年で開催10周年を迎えた。
ギター関連会社13社から200本を超えるギターやベースが展示され、新製品の展示即売会はもちろんのこと、ギター製作家のトークショーや山口和也 氏のYouTubeチャンネルの生配信、ギターよろず相談室など、様々なギター・イベントが行われ、コアなギター・ファンで賑わった。
このコラムでは、何度かに分けて会場で見つけた個性的なギター達を紹介しよう。

 最初に紹介するのは「OGI FACTORY」のブースに展示されていた、「Wrasse S Apple – NT SSH Natural」というモデル。


 この工房は、大丸屋農園というリンゴ園に併設されているそうで、写真はそこのリンゴの木をボディトップに使用した前代未聞のリンゴ・モデル。

 ギターの左側に置かれている板材がリンゴ材である。
信州はリンゴの名産地としても知られているが、まさかリンゴの木でギターが作られるとは…。
サウンドを確認することはできなかったが、リンゴのように、甘酸っぱいサウンドが出るのだろうか…。