エレクトリックからアコースティックまで、いくつものブランドを持つディバイザーでは、これまでに、山桜、栃、赤松など、和材をトーンウッドとして使用した個性的なギター作りが行われてきた。
今回この『信州ギター祭り 2022』では、能登ヒバを使ったギター・プロジェクトが紹介され、話題となった。

 東北地方が原産地とされる日本の固有種であるヒバは、ヒノキ科の常緑針葉樹でヒノキに似た特徴を備えている。
抗菌・除菌、防虫、防臭効果に優れ、昔から建築材の土台や床板など、日本文化の中で広く使用されてきた。

 石川県はヒバの産地としても知られ、能登ヒバは良質な木材として古くから日本人の生活を支えてきた重要な木材のひとつである。
ヒバは気乾比重が平均0.37〜0.45と軽量で、さらに耐久性にも優れていることから、ギターのトーンウッドとして白羽の矢が立った。

 写真のギターは「MOMOSE SMJS HIBA/NJ」というモデルで、ボディに能登ヒバの1ピース材を使用し、ネックにも圧縮加工を施した能登ヒバを使用している。

 残念ながらサウンドは確認できなかったが、ナチュラルな杢目を活かしたフィニッシュと木製ピックガードを採用し、アルダーとアッシュの中間のような上品な杢目が確認できる。

 防臭効果が高い木材だけに、このギターを押し入れに入れておいても、カビが生えたり虫に食われることはなさそうだ。

 またヘッドウェイは、能登ヒバをボディに使用した能登ヒバ・アコースティック・ギターの製作にもトライしている。