1958 GIBSON Les Paul Standard

1952年に誕生したレスポール・モデルは、ギブソン初のエレクトリック・ソリッド・ギターであるが、初のシグネチャー・モデルでもあった。
レスポール・モデルは1952年の登場以来幾度ものモデルチェンジを繰り返し、1957年にハムバッキング・ピックアップ(通称P.A.F.)が採用された。
そして翌1958年の中期にボディがゴールドトップから鮮やかなサンバースト・フィニッシュへと変更されてことで、レスポール・サンバーストが誕生した。

「レスポール・スタンダード」という名称は、実はこのサンバースト仕様が採用されたモデルで初めて使用されたネーミングで、それまでのゴールドトップ時代はレスポール・モデルである。

 鮮やかなチェリーサンバーストを採用したフィニッシュは、それまでの重いイメージのゴールドトップとは異なり、より華やかでフレッシュなモデルへとイメージチェンジした。
また、ボディ・トップに使用されているメイプル材の中には、写真のように杢目が立体的に浮き上がるように見える製品もあり、その高級感はサンバースト・モデルの大きな魅力となった。
写真の個体は目立つキズもなく、極めてコンディションが良く、65年前に生産されたとは思えないほど美しい。
ただし、写真のような杢目が出た製品は極めて少なく、実際はプレーンな製品や薄らとフレイムが見える製品がほとんどである。

 1958年から60年までの3年間に生産されたサンバースト・レスポールは、約1500本と言われているが、その中で1959年製の製品が最も生産数が多い。
また58年製は、途中まではゴールドトップが採用されていたため、数が少ない。
ネックグリップがやや太めなのも58年製の特徴で、59年、60年とグリップが細くなっていくが、この辺が好みの別れるところでもある。

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