1969 GIBSON Citation

1969年は、ギブソンの創始者であるオービル・ヘンリー・ギブソンがカラマズーでマンドリン工房をスタートさせて、75年周年にあたる(ギブソン社の設立は1902年)。
そのダイヤモンド・ジュビリー・イヤーに、ギブソン・クラフツマンの技術の高さを誇る特別なアーチトップ・モデル、サイテーションが企画された。
このモデルは完全なオーダーメイドによって製作され、また破格のプライスが付けられたこともあり、ごく限られた本数しか製作されていない。

 写真のギターは、そのサイテーションの第1号として1969年に製作された記念すべきシリアル・ナンバー1番。
17インチというフルディプスのシングルカッタウェイ・ボディは、ラウンド・ベネチアン・カッタウェイを採用。
スプルース・トップとメイプル・バックは厚い板材からクラフツマンが時間を掛けて丁寧に削り出したもので、メイプルの杢目とグラマラスなカーブとが織りなす独特なアーチ形状は、ギブソンならではの高級感と美しさに満ちている。ナチュラルな杢目を活かしたボディは、一般的なラッカー・フィニッシュではなく、トラディショナルなワニス仕上げを採用している。

 メイプルを中心とした5ピースのネックに良質なエボニー・フィンガーボードをセットし、25-1/2インチのロング・スケールを採用。
フィンガーボードには、エピフォンの高級モデルにも使用されたクラウド・インレイが施されている。
ヘッドストックには、創業当初に使用されていた「The Gibson」のスラント・スクリプト・ロゴ・インレイ、花の紋章のインレイ、さらにはマザーオブパールのトラスロッドカバーがセットされ、スペシャル感を演出している。

 フロントポジションに、シングルコイル・ピックアップをフローティング状態でセット。
杢目の美しいメイプル・ピックガードが採用され、そこにボリューム・コントロールがひとつセットされている。

Special Thanks :「Player」、MAC GALLERY