1964 EPIPHONE Sorrento / 1961 Sorrento 3/4

19世紀末に、トルコ出身のギリシャ人、アナスタシオ・スタトポウロがニューヨークで弦楽器工房を開設したのがエピフォンの始まりである。
当初はヴァイオリンやリュートなどを製作していたが、20世紀初頭からマンドリンの製作を開始する。
その後ジャズブームの影響でテナー・バンジョーやギターの製造を行うようになり、1940〜50年代はアーチトップやフラットトップが高く評価され、一時はギブソンと肩を並べるほどの高級アーチトップ・モデルも生産していた。
しかし、50年代後半になると経営が悪化、1957年に当時ギブソンの親会社だったCMIに買収され、エピフォンはギブソン傘下のブランドとなった。
その後エピフォンの製品は、69年までミシガン州カラマズーにあったギブソン工場で生産された。
そのため、当時のエピフォン製品はブランド名とデザインが異なるものの、ギブソン・ブランドと同じクオリティで製作されていた。

 今回紹介するモデルは、エピフォンのソレント。
写真右は1960年に登場したシンライン・アーチトップで、ギブソンのES-125Tに匹敵するモデルである。
シングル・ピックアップとデュアル・ピックアップ・モデルがラインナップされ、フィニッシュはナチュラルとサンバーストの他に、ソレント専用のカラーとして グリーン系のロイヤルオリーブが用意されていた。
初期モデルはファッドヘッドにメタルのロゴプレートがセットされたが、63年に写真のパールインレイに変更された。
ポジションマークも当初のドットから62年に大型のオーバルインレイに変更、64年にスリムヘッドに変更され写真の仕様となった。

 写真左のソレント3/4は1961年に発表された小型モデルだが、僅か1年で生産が完了したレアモデルで、めったに市場に出回ることはない。
ギブソンだと1950年代に発売されたES-140Tにあたり、シングル・ピックアップ・モデルとして発売された。
レギュラー・モデルはミニハムバッカーが採用され、3/4モデルはドックイヤー・タイプのP-90が採用された。
パーラー・サイズだが、プラグインするとレギューラー・モデルにひけを取らない素晴らしいサウンドを聴かせる。

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