1959 GUILD Aristocrat M-75

ギルドは、アコースティック・ギターのブランドとして広く認知されているが、1952年から続く長い歴史の中でエレクトリック・アコースティックやエレクトリック・ソリッド・モデルも数多く生産してきた。
写真は、設立2年目にあたる1954年に誕生した「アリストクラット M-75」というモデルで、1963年まで生産された。
昔からキース・リチャードの愛器としても知られ、後にラリー・カールトンなどにも愛用され、一部のコアなファンに強く支持されている。

 当時の同社のカタログを見るとセミソリッド・ボディと紹介されているが、実際はスプルース・トップとメイプルバック&サイドのフルアコースティック構造で、かなり軽量に仕上がっている。
緩やかなアーチトップは合板をプレス成型したもので、ボディ内部のトップ・ブロックからエンド・ブロックに2本の補強材が設置されている。
ボディ形状は一見レスポールを意識したデザインであるが、最大幅で3/4インチ、厚みで1インチ、レスポールより大きなサイズである。

 センターに薄いメイプル材を挟んだマボガニー3ピース・ネックはサンバーストにフィニッシュされ、ギブソンと同じ24-3/4インチ・スケールを採用。

 ピックアップは外注で生産されたものだが、ギブソンのP-90によく似た外観で、構造もほぼ同じである。
コントロールは一般的な2ボリューム、2トーンであるが、ギブソンとは位置関係が異なる。

 写真の初代M-75は1963年に一度生産が中止されたが、1967年にハムバッキング・ピックアップを搭載したセカンド・バージョンとして再生産が行われ、1972年まで生産されてその役割を終えた。

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