Late 1950’s GIBSON Double Mandolin 

1957年7月に開催された国際楽器見本市「NAMMショー」において、ギブソンからふたつのダブルネック・モデルが発表された。
レギュラー・ネックと12弦ネックをセットしたダブル12。
そしてレギュラー・ネックとショート・スケール・ネックをセットしたダブル・マンドリンである。
今回は、1950年代末に製作されたカスタム・モデル「ギブソン・ダブル・マンドリン」を紹介しよう。

 写真を見ると分かるが、ダブル・マンドリンというネーミングではあるが、実際は1オクターブ高くチューニングするハーフ・スケールのオクターブ・ギターとの組み合わせである。
このギターが同社のカタログに最初に掲載されたのは1958年だが、その製品はボディがSGモデルのように左右対称のデザインだった。
ボディにある “CUSTOM” の文字が示すように、ダブルネック・シリーズは全てカスタムオーダーによって製作されるため、同じネーミングであっても一部仕様の異なる製品が存在する。

 ホワイト・フィニッシュのボディは左右非対称で、スプルース・トップ、メイプル・バック&サイドのホロウ構造を採用しているが、サウンドホールは見当たらない。
右側のネックは24-3/4インチ・スケールを採用したデュアル・ピックアップ仕様、左側のネックは15-1/2インチ・スケールを採用したシングル・ピックアップ仕様で、全てPAFピックアップが使用されている。
コントロールは、それぞれのマスター・ボリュームとマスター・トーン、中央に見えるのがネック・セレクター、右に見えるのがピックアップ・セレクターである。

 12弦モデルとの組み合わせのダブル12は、1962年にソリッド・ボディのSGスタイルへと進化し、EDS-1275という新たなモデルへと姿を変えた。
ジミー・ペイジやドン・フェルダーなど、ロックシーンでの愛用者も多く、人気モデルとして現在もステージなどで使用されている。

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