1968 GIBSON Les Paul Standard & Les Paul Custom
1968年は、音楽シーンはもちろんのことギターシーンにも大きな変化があった年として知られている。
ギブソン・エレクトリックの代表的なモデルである「Les Paul Standard」と「 Les Paul Custom」は、1968年に再生産が開始された。
1950年代に生産されたオリジナル・レスポール・モデルへの再評価が高まる中、ギブソンはギタリストのレス・ポールと再契約を結び、1968年にレスポール・スタンダードとレスポール・カスタムの再生産を開始した。
当初発売されたのは、ゴールドトップにP-90ピックアップをマウントしたいわゆる1955年スタイルのLP スタンダードと、エボニーブラックにハムバッカー・ピックアップを２つマウントした57年スタイルのLP カスタムだった。
その後、72年に限定発売されたスタンダード58も54年タイプで、サンバーストフィニッシュにハムバッカーがマウントされたLPスタンダードが登場したのは、74年のことである。
写真のレスポール・スタンダードは、1968年の再生産の初期モデルで、ヘッドにはSGスタンダードやES-335と同じクラウンインレイが施されている。
さらに、シルクスクリーンによるモデル名は見られず、トラスロッドカバーにモデル名が刻まれている。
LPカスタムもトリプル・ピックアップ仕様ではなく、デュアル・ピックアップ仕様が採用されている。
1968 FENDER Telecaster Paisley Rad & Blue Flower
フェンダーの主力モデルの中で、唯一バリエーションを持っているのが、テレキャスターである。
1959年にテレキャスター・カスタム、1968年にホロー・モデルのテレキャスター・シンラインが発売され、翌1969年にテレキャスターのローズウッド・モデルも発売された。
今回紹介するのは、1968年に発売された「Telecaster Paisley Red」と「Telecaster Blue Flower」というレアモデルである。
この２つのモデルは、1960年代後半にサンフランシスコを中心に巻き起こったフラワームーブメントを意識したサイケデリック・モデルとして誕生した。
どちらも発売して１年ほどで生産終了となった希少なモデルである。
ボディの表と裏にサイケデリックな柄の壁紙を貼り、その上から厚いポリエステル塗装を施している。
サイド部分は壁紙と同系色の塗装塗りつぶし、ボディの柄が見えるように透明のピックガードを装着するという斬新な仕様だった。
しかし、壁紙がボディから剥がれたり、ポリエステル塗装にクラックが入る等のトラブルが多発した。
1968年はギブソンやフェンダー以外でも、特別なモデルが登場した年である。
戦前から四半世紀の眠りについていたマーティン D-45の復刻もこの1968年だった。
60年代末は、新たな音楽シーンがどんどん生まれるとともに、ギターシーンも大きく様変わりした時代だった。
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