1956 GIBSON Les Paul Special

ギブソン・エレクトリック・ギターを代表するモデルとして知られるレスポール・モデルは、1952年に誕生した。
そのバリエーションとして、翌53年に上位モデルのレスポール・カスタム、54年に廉価モデルのレスポール・ジュニアとイエローカラーのレスポールTVが発売され、55年にレスポール・スペシャルが発売された。
今回はレスポール・ファミリーの中で5番目に登場した「Les Paul Special」を紹介しよう。

 基本的には、ホンジュラス・マホガニーのフラットトップ・ボディを採用したレスポールTVをデュアル・ピックアップ仕様にバージョンアップしたモデルだが、ピックアップのマウント方法やネック・バインデイングなどはレギュラー・モデルに近い。
LPジュニアとレギュラーとの中間に位置するモデルとしてラインナップされた。
写真のシングル・カッタウェイ・ヴァージョンは58年まで生産され、59年初頭にダブルカッタウェイ・バージョンにフルモデルチェンジされ、モデル名がSGスペシャルとなった。

 価格を抑えるためにメイプルトップを排除したマホガニー・スラブボディが採用されたが、P-90ピックアップとの愛称が非常に良く、上級モデルにひけを取らないダイナミックなサウンドと取り回しの良い演奏性を持ち、極めてコストパフォーマンスに優れたギターと言える。

 50年代のP-90は、シングルコイル・ピックアップとは思えないほど豊かな低音域と力強さを特徴としてる。
レギュラー・モデルと同じように、ピックアップはポールピースの間にある2本のネジによってボディにマウントされているが、高さを調整する機能は持たない。

 写真の個体はデビュー翌年に生産された1956年製のレスポール・スペシャル。
写真でも分かるように大きなキズなども見られないかなり良いコンディションで、一時モトリー・クルーのミック・マーズがコレクションしていたこともある。

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