リゾネイター・ギター

 トニー・ゼマイティスが製作したユニークなギターを紹介する「第5弾」は、ゼマイティスのリゾネイター・ギター。

 「Player」誌で連載している「ZEMAITIS Special」は、毎回ゼマイティスのコアなストーリーが満載されている。
この特集の多くは、英国を拠点とする「ゼマイティス・ギター・オーナーズ・クラブ」という、世界で唯一のオフィシャル・ゼマイティス・クラブを運営する、キース・スマートが提供している。

 実はキース自身もミュージシャンで、いくつものギターをコレクションしていて、特にゼマイティスに関しては、これまでに数多く入手して来た。
その中で最もお気に入りの1本が、写真の1971年製ゼマイティス・リゾネイター・ギターである。

 このギターは元々ロニー・レーン(スモール・フェイセス、フェイセスの創立者)のオーダーによって製作されたもので、ロニーはこのギター以外にもいくつものゼマイティス・コレクションを所有していた。
ロニーはトニー・ゼマイティスと親しい間柄で、様々なスタイルのギターやベースをロニーのために製作したが、このリゾネイター・ギターもその中のひとつだ。

 ロニー・レーンは難病を患い1997年に51歳の若さで他界。
残された彼のゼマイティス・コレクションは家族によって管理されたが、長年のキースからのラブコールにより、このリゾネイター・ギターを家族から譲ってもらったという。

 様々なスタイルのギターを製作したトニー・ゼマイティスだが、リゾネイター・ギターはこのギター1本だけのようで、その後は作られていない。
まさしく、世界で1本だけのギターである。

 18インチを越えるマホガニーの特大ボディを採用し、ボディ中央にリゾネイターが搭載され、ピックアップも搭載されたエレクトリック仕様。
ボディはとても大きいがボディの厚みはやや抑えられているようだ。

 キースはステージに立つ時に、このゼマイティス・リゾネイター・ギターをよく手にしている。

Special Thanks to Keith Smart