今回は、1961年に生産されたフェンダー・ストラトキャスターを紹介する。

 3トーンにフィニッシュされたアルダー・ボディやブラジリアン・ローズウッドによるスラブボードなど、ベーシックな仕様は59年から変わっていない。
しかし、サンバーストの色合いに変化があり、より明るく鮮やかなフィニッシュに変更された。
これは、それまで使用された赤の塗料が紫外線の影響で褪色しやすかったため、より鮮やかで褪色し難い塗料へと変更されたためだ。
写真でも分かるように、赤みが残った華やかなカラーが特徴となる。

 電機関連では、ピックアップのポールピースがそれまでとは着磁方向が逆のサウスポールが採用されるようになった。
これは、サウンド面での効果を狙った変更ではなく、作業工程や治具の変更に伴うものだと考えられる。

 トーン回路では、コーネルデュブリアーのオイルコンデンサから、高性能なセラミック・コンデンサに交換された。
容量は同じだが、耐圧が150Vから50Vに変更された。

 1961年は、カスタムカラーが規格化され、ブロンドカラーの他に14色のカラーセレクション・チャートが製作され、ディーラーに配布された。

 写真でも赤が鮮やかに残っているのが分かる。
明るい3トーン・サンバーストはより華やかに見える。

 下の段にパテントナンバーが加えられたセカンドバージョンのデカールが使用されている。

 ピックアップ・キャビティ内に、ボディ・デイトが記されている。
写真は1961年5月製作。

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