今回は、1962年製のフェンダー・ストラトキャスターの特徴について紹介しよう。

 62年は、59年から採用された厚みのあるスラブボードから、薄くカーブしたラウンドボードへと仕様変更された年にあたる。
これはフィンガーボードが湿度や気温などにより変形するのに伴い、ネックが変形するのを防止するための対策として仕様が変更された。
実際にスラブボードの製品は、ネックのトラブルが多く発生していたようだ。
メイプルの1ピース・ネックの場合はフィンガーボードまで塗装されているため、湿度の変化によってネックが影響を受け難いが、ローズウッド・フィンガーボードの場合は塗装されていないため、湿気や汗などがフィンガーボードに染み込みやすい。
それはフィンガーボードが厚いほどネックに大きく影響するため、フィンガーボードをネックの表面と平行して薄くラウンド加工し、ネックとの接着面もラウンド状に加工することでネックの安定を図った。
またラウンドボードの採用と同時期に、フレットの溝加工もそれまでより深くなった。

 62年4月から、それまで鉛筆で書かれていたネック・デイトが、大きなラバー・スタンプへと切り変わった。
それと同時に、モデル・コードとナット幅も追加された。
写真の製品の場合「2 AUG 62 B」とスタンプされているが、左から「2=ストラトキャスター」「AUG=8月」「62=1962年」「B=スタンダードグリップ、1-5/8インチ幅」となる。

 正面から見みて、メイプル・ネックとフィンガーボードが一直線に見えるのがラウンドボード。

 ヘッドのデカールは、3パテントナンバーが記されたサード・バージョンが使用されている。

 フィンガーボードがラウンドになっているのが良くわかる。
スタンプのネックデイトを採用。

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