ジョン・エントウィッスルとジミ・ヘンドリックス

 ザ・フーのベーシスト、ジョン・エントウィッスル(1944〜2002年)とロトサウンドとの繋がりは30年以上に及んでいる。
1966年、ジョンはダンエレクトロのベースに使用するためにロトサウンド弦を入手した。
しかし、当時の多くのベース弦がそうだったように、ロトサウンドも1弦と2弦の素晴らしいサウンドに対して、3弦と4弦は満足できるクオリティではなかった。

 ジョンは自分のベースをロトサウンドに持ち込み、満足いくサウンドが出る弦を開発して欲しい旨を伝え、さらにその開発にも協力することを約束した。

 こうして1966年に誕生した「RS66」は、ジョン自身が満足いくベース弦として完成し、彼は長年に亘りこの製品を愛用した。
ジョンと共に開発した「66」シリーズは、現在もロトサウンドの主力ベース弦として数多くのバリエーションをラインナップしている。
ロトサウンドは、60年代からギターのみならずベース弦の開発にも力をそそぎ、いつしかベース弦の標準的な存在として認知されるようになった。

 ロトサウンドの広告ビジュアルに、ジミ・ヘンドリックスが登場しているのを目にしたことがあるだろうか?

 1967年、当時最もロック・シーンを賑わした話題の天才黒人ギタリストがロトサウンドの愛用者となった。
ジミ・ヘンドリックスである。
彼はジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスを結成し、世界の音楽シーンに強烈な衝撃を与えたが、それと同時にロトサウンドの製品も英国から世界へと羽ばたいて行った。

 ほぼ同じ時期に、ピンク・フロイドのシド・バレットやロジャー・ウォータースなどもこぞってロトサウンド製品を使用、レコーディングやライブで愛用した。

 ロトサウンド弦は、60年代に多くの有名ギタリストやベーシストから支持されたが、70年代には更なる進化を遂げて行く。

 この続きは次回のコラムで…。